■ ミナシア10って何ですか?
ミナシア10は、療育の現場で特に大切にしている10個の関わり方をまとめたものです。 お子さまの発達を支援する専門的な方法の中から、「これは本当に役立つ!」というものを厳選しました。科学的な根拠と現場での実践を積み重ねて作られた、セラピストと保護者の皆さまが共有できる「支援の共通のことば」です。
● なぜミナシア10が大切なの?
- 支援の質を一定に保つため どのセラピストも同じ質の高い関わりができるようにしています。
- お子さまの発達を力強くサポートするため 自閉スペクトラム症(ASD)をはじめ、発達に苦手さのあるお子さまが楽しく学べる環境を作ります。
- ご家庭でも実践できるように セラピストと保護者が同じ方法で関われば、お子さまはより安心して成長できます。
■ お子さまの成長を支える10のアプローチ
1. 模倣(もほう)と逆模倣(ぎゃくもほう)
〜真似っこから始まる学びの第一歩〜
- 【どんなこと?】
- 逆模倣:お子さまがしていることを、大人が真似します。
- 模倣:大人がやって見せたことを、お子さまに真似してもらいます。
- 【例えばこんなふうに】
- お子さまが積み木を積んだら、大人も隣で同じように積んでみる(逆模倣)
- 大人が「バイバイ」と手を振って、お子さまにも真似してもらう(模倣)
- 【どうして大切?】 真似をすることは、言葉・対人関係・日常生活の動作など、すべての学びの基礎になるからです。
2. プロンプト
〜「できた!」を増やす優しいサポート〜
- 【どんなこと?】 お子さまが「できる」ように、言葉・手添え・絵カードなどでちょっとした手助けをすることです。
- 【例えばこんなふうに】
- 手を洗う時、蛇口をひねるのを手伝う(からだのプロンプト)
- 着替えの順番を絵カードで見せる(目のプロンプト)
- 【どうして大切?】 適切な手助けで「できた!」という成功体験を積み重ねることで、自信と自立につながります。
3. 共同注意(きょうどうちゅうい)とアイコンタクト
〜「見て、見て!」を一緒に楽しむ〜
- 【どんなこと?】 お子さまと大人が同じものを一緒に見たり、目を合わせたりすることです。
- 【例えばこんなふうに】
- シャボン玉を指さして「見て!きれいだね」と一緒に見る
- お子さまが興味を持っているおもちゃを顔の近くに持ってきて視線を合わせる
- 【どうして大切?】 コミュニケーションの土台です。「自分の興味を共有してくれている」と感じることで、伝える力が育ちます。
4. ワンナップルール(1UPルール)
〜ちょっとだけ背伸びする言葉がけ〜
- 【どんなこと?】 お子さまの言葉に「1つ」だけ言葉を足して返してあげることです。
- 【例えばこんなふうに】
- 「あか」と言ったら → 「あかい ボール!」
- 「ワンワン いた」と言ったら → 「大きい ワンワン いたね」
- 【どうして大切?】 「もう少しで言えそう」というレベルの刺激を与えることで、自然と言葉が育ちます。
5. 強化(きょうか)と低刺激(ていしげき)
〜良い行動は褒めて、困った行動はスルーする〜
- 【どんなこと?】
- 強化:良い行動をしたら、すぐに具体的に褒めます。
- 低刺激:困った行動には、感情的にならず淡々と対応します。
- 【例えばこんなふうに】
- お片付けをしたらすぐに褒める(強化)
- 癇癪には怒らず、静かに対応する(低刺激)
- 【どうして大切?】 褒められることで「またやろう」というポジティブな行動を増やしていきます。
6. 順番交替(じゅんばんこうたい)
〜「じゅんばんこ」で育つ我慢の力〜
- 【どんなこと?】 自分の番と相手の番を交互に繰り返す遊びです。
- 【例えばこんなふうに】
- 積み木を1つずつ交互に積む
- 「ぼくの番、ママの番」と言いながらお絵描きする
- 【どうして大切?】 順番を待つことで、自分の気持ちをコントロールする力が育ち、お友達とのやり取りが楽しくなります。
7. Premac(プレマック)の原理
〜「〇〇したら、△△できるよ」のやる気アップ術〜
- 【どんなこと?】 あまり好きじゃないことの後に、好きなことをセットにする方法です。
- 【例えばこんなふうに】
- 「野菜を食べたら、デザートを食べようね」
- 「お支度が終わったら、YouTube見てもいいよ」
- 【どうして大切?】 無理やりではなく、お子さまの「やりたい!」という主体性を尊重しながら進められます。
8. Share Enjoyment(シェア エンジョイメント)
〜喜びを一緒に分かち合おう〜
- 【どんなこと?】 お子さまの嬉しい・楽しい気持ちに、大人も全力で共感することです。
- 【例えばこんなふうに】
- ブロックが高く積めた時、一緒に大喜びする
- お絵描きができた時、笑顔で「上手!」と共感する
- 【どうして大切?】 喜びを分かち合う経験が社会性を育て、自己肯定感を高めます。
9. 一緒に遊ぼう!
〜人と遊ぶ・人とモノと遊ぶの両方が大切〜
- 【どんなこと?】 おもちゃを使わない「ふれあい遊び」と、おもちゃを使った「モノを通した遊び」の両方を行います。
- 【例えばこんなふうに】
- 高い高いやくすぐり遊び(ふれあい)
- ミニカーや積み木(モノを通した遊び)
- 【どうして大切?】 「人と遊ぶって楽しい!」という気持ちを育て、コミュニケーションの幅を広げます。
10. 遊びの流れ「ルーティン」
〜活動の「始まり」と「終わり」を分かりやすく〜
- 【どんなこと?】 活動を「準備・メイン・変化・終わり」の4ステップに分けます。
- 【例えばこんなふうに】 おもちゃを選ぶ → 遊ぶ → 遊び方を少し変える → お片付け
- 【どうして大切?】 流れが分かるとお子さまは安心し、予定の変更にも対応しやすくなります。
■ ご家庭でもできること
ミナシア10は、ご家庭でも実践できる関わり方です。
- 「できた!」をたくさん褒めてあげてください。
- お子さまのペースに合わせて、少しずつ挑戦を促してください。
- 一緒に楽しむ気持ちを大切にしてください。
完璧にやる必要はありません(10分でも十分素敵です!) 「今日はこれを意識してみよう」と1つずつ試すことが、大きな成長につながります。
■ 最後に
ミナシア10は、お子さまの個性に合わせて柔軟に使うものです。セラピストと保護者の皆さまが協力し、お子さまの笑顔を増やしていけるよう全力でサポートいたします。
ご不明な点やご相談がございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。
お子さまの笑顔と成長のために、一緒に歩んでいきましょう。